日本ブロメリア協会会長滝沢弘之によるブロメリア関連の情報ページです。
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2011年 11月 17日 「秋の開花状況など…」
 暫しご無沙汰致しました。暑い夏は何時しか過ぎ去りすっかり肌寒い季節になりました。最上階の温室の植物達、暑い夏もものともせずにすくすく成長 してくれました。照度と通風を最優先に設計した甲斐あって、本当に目を見張る生長を実感した夏でした。

1997年頃にメキシコからフロリダへ大量に輸入されたチアペンシスの中から選別して持ち帰った株。2分岐3分岐の花序が見られるのは選 別の甲斐あっての事と嬉しくなります。

こちらの株は花序は分岐しませんが、葉が長く独特の株姿です。花序は目を見張る太さでバナナのようです。お気に入りの株です。

こちらも同じく1997年の選別株。やはり花序が分岐しています。
9本にも分岐した花序をつけた T. carlsoniae X chiapensis です。チアペンシスの交配種の中でも、とても気に入っているタイプ。今回の開花は9分岐とはいえまだ株は小降りです。次回は株を更に充実させて、更に豪華に咲かせたいと思います。

 砂漠気候を好むカリファニー(T.califanii)やタキザワエ(T.takizawae)も上機嫌で成長しています。10月から、チアペンシス(T.chiapensis)系が花盛りです。チアペンシスの花期なので、チアペン シスの交配種も一斉に開花中です。
 嬉しいのは、 T.chiapensis X carlsoniae が花序を9本もつけてくれた事でしょうか。今まで何度か開花していますが、9本もの花序をつけたのは初めてです。これからもっとピンクがかった感じに色付 いて開花してくれるでしょう。

こちらは、Mark A.Dimitt 氏の作出の、T.chiapensis X streptophylla。画像では判りにくいのですが、かなり巨大です。株径は80cm以上でしょうか。とても見応えのある素晴らしいクローンです。
ミスターエクメアの異名を取った故ジョン・アンダーソン氏から生前に譲り受けたメキシコでの採集株。チアペンシスの交配種と推測していますが、野生株との事でしたから相当なレア物です。

 それから、珍しいところでは、1996年7月11日にメキシコのクイカトラン近郊のキオテペック (Quiotepec near Cuicatlan) の標高705m地点で採集したファシクラータ(T.fasciculata)です。当時、辺りに沢山あるファシクラータの中でも特に見応えのある多数に分岐した長い花序に目を引かれて採取した株です。どうですか?とても珍しいクローンです。スタジオ写真も貼付しますが、素晴らしい鑑賞価値ではないでしょうか。花弁は通常の紫色ですが、とにかく見事 な開花姿です。

1996年にQuiotepec の山中で撮影した古いスライド写真。

こちらが採集後15年の開花姿。当時、感激して採集したのですが、その甲斐あって素晴らしい開花姿を見せてくれました。

あらためて…スタジオ撮影してみました。どうでしょう?とても素晴らしいです。

ティランジアハンドブックの上にのった巨大ストリクタ。

現在の開花姿です。花序の先端の丸みは一時的なものかと思いましたが、どうやら特徴的なもののようです。
 
 もうひとつ、珍しいクローンのご紹介です。愛らしいピンクの花序が人気のストリクタ(T.sricta)。もう十数年前になります。コロンビアから大量に輸入された株の中から、ずば抜けて大きな株を入手しました。その後しばらくして開花しましたが、開花株の直径は40cm近くでした。当時、ティランジアハンドブックの上にのせて撮影した画像をご覧下さい。驚くべきサイズです。特徴的なのは、花序の先端が尖っておらず、丸みを帯びていた事です。お気づきでしょうか?通常のハードリーフタイプのストリクタは、花序の先端は尖ってい るのが一般的です。ところがこのクローンは、先端が丸いのです。たったひと株の巨大ストリクタでしたが、10年以上の歳月を経てクランプ(群生 株)に成長しました。群生させると株はやや小型で開花してしまいますがそれでも通常のタイプよりも大型です。そして何より丸みがかった花序の先端 の特徴はそのままです。今度は、単体にしてどこまで大きく出来るか挑戦してみたいと思います。ちなみにこのクローン、今まで門外不出でしたが、先月のバーベキューイベントで数株が新しい栽培環境に旅立っていきました。入手された方、巨大サイズを目指して下さいね。

 総会では、この巨大クロー ンを始め激レアティランジアなどが多数リリース予定です。そして、スライドプログラムも頑張りますよ。皆さん是非ともご参加ください。
2011年 9月 1日 「会長の部屋」
おまたせいたしました・・・。
「会長の部屋」スタートさせて頂きます。
恥ずかしながら、構想からだいぶ時が経ってしまいました。
この部屋では、私が20年以上の歳月をかけて情熱をつぎ込んでコレクションし、大切に育てたブロメリアを中心とした魅力的な植物達を紹介させて頂きます。
途中には、遠く離れた中南米のすばらしい景色、すばらしい植物、・・・じっくりと紹介させて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

先ず第1回目は、こちら。そう、「会長の部屋」です。
私の夢を詰め込んだ温室。
1996年のメキシコを足がかりとして、1997年にエヴァーグレーズ(フロリダの大湿原)とエクアドル、1998年にホンジュラス、1999年にコスタリカ、そしてメキシコ、2000年にメキシコ、2001年にメキシコ、2003年のブラジル、2004年のベネズエラ(アンデス山脈〜ギアナ高地)、2005年のベネズエラ(ギアナ高地)さらにエクアドル。
過去12回に及ぶブロメリア達の故郷を巡る冒険の旅。その中で手に入れて育ててきた貴重な植物達がひっそりと息づいています。
私はこれまでに、7つの温室を建ててきました。そして今年の初夏、8番目の温室が完成しました。最上階に位置しています。
ご覧の様に、床は目も眩む程に輝く純白。紫外線の強い時は目を開けているのが辛い程の照度を得る事が出来ました。
こちらには、強光線を好み、温度変化にも強いブロメリアを収容していきます。

7番目に建てた温室は40坪の広さ。こちらはそのエントランスです。ブラジルのブロメリアを中心に配置されています。

奥からエントランスを見返した所です。

左手前に見えるティランジア。なんだかお解かりですか?開花を心待ちにしているオリジナルの交配種、T. dyeriana X grazielae です。どんな花を見せてくれるでしょうか?とても楽しみです。

内部は、本当に眩い白さ。りんご園などでアルミのシートを地面に張り巡らせて照度を上げて、果実を色付かせる事からヒントを得ました。特 にティランジア栽培には強光線(直射ではなく)が理想的。ティランジア達はとても機嫌良く育ち始めています。この8番目の温室、これが私の今後の ティランジア栽培の大きな鍵を握っています。

最上階に位置する新温室。風通しも日照も、これ以上は望めない程に最高です。
あっ、気付かないうちに・・・、愛犬が何かしてくれています。ウン(運)をつけてくれています。